無料
無料。
この言葉に、わたしたちは、簡単に魅了されてしまいます。
世の中に、本当に無料のものは、何一つありません。たとえ、完全なる施しであっても、施される側は、お金と同等か、それ以上の価値を見いだす人もいるであろう、時間を、差し出すわけです。無料と聞いたら、ああ、時間を無料で、相手に差し出すんだと思うべきです。
あなたの無料は、かならずあなたか、他の誰かによって、支払われています。
送料無料
総売り上げの中から、送料は必ず支払われているわけですから、提示されている支払額の中に、必ず送料って含まれているんです。
例えば炊飯器を買うとします。
街のケーズデンキに、車で買いに行くとき、あなたは、あなたが購入し、維持費を支払っている車で、店舗まで行き、炊飯器を買い、あなたの車に積んで、家に帰ります。
もし送料があるとするなら、この場合の送料は、あなた持ちです。
一方、同じ炊飯器をアマゾンで買うなら、アマゾンは、実の店舗も、専門知識や接客スキルのある販売員を雇わなくていいわけですから、その分、実売価格を下げたり、送料無料という魔法の言葉を使うことが出来ます。
ケーズデンキで買うメリットは、現物を見て、その場で、炊飯器が手に入ることです。
アマゾンの弱点があるとすれば、現物を見れない点と、その場で手に入らない点です。しかし、それらを補って余りある武器が、送料無料です。
送料無料
これは、天下を取る言葉です。
一方で、100人の内、1人のお客さんが、残り99人の無料分を支払うので、表向きは、無料を掲げているサービスもあります。
相談無料
見積もり無料
無料カウンセリング
見学無料
会社組織の維持管理には、莫大な経費が掛かります。正社員など、彼らの人件費だけで、1時間当たり、最低2000円はかかります。そんな彼らの時間と、会社が持つ設備、ノウハウ、サービスを、無料で提供するなんてことは、ありえないんです。
無料という撒きえは、1匹の大物を釣るためなんです。
では、残りの99人は、時間だけ無料で差し出したんです。会社にとっては、1人が、大金を支払ってくれれば成り立つビジネスですから、残りの人の時間なんて、知ったことではないんですね。
最初から冷やかし目的や、無料でもらえるものやサービス目当て、見に行ったけど、決断しなかった場合って、時間を無料で支払って、なにも得てないわけですから、99人って、すごく損なんですね。
でも、そんなことは、思わないんです。なぜなら、わたしたちは、時間は無限にあるように、錯覚してしまうんですね。
でも、本当は、時間こそ、お金以上に、使い道を見極めるべき要素なんです。
すべての取引って、お金と時間、どちらも必ず使います。なにが無料なのか、本当に無料なのか、無料分は誰が最終的に支払うのか、よく見極めることが、大切です。
タダほど、高いものはありません。