心の周波数

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アメリカに独りでぶっこんだ後輩に、本当のきっかけを与えたのは、彼の友達の一言でした。

「連れていってもらっただけやろ」

後輩は、その瞬間、変わったそうです。

意識が変わると、見ること、聞くことが変わります。そして、おそらく人生で、100回以上素通りしたであろう、英会話学校の前で、通ってみようかなという気持ちになり、その場で契約します。

後輩は、どんなに仕事が忙しくても、時間を作り、月謝を納め、学校に通い続けました。

なぜ、そんなことが出来たか。それは、彼自身が、アメリカに独りで行くと、覚悟を決めたからです。もう誰にも頼れない。いまの自分が、少しでも勉強することでしか、安心は得られないのです。

1年後、セントレアから唯一のアメリカ便、デルタ航空のエアバスA330に乗り、デトロイトに降り立ちます。そして、カンザスシティ行きの便に乗り換え、MCI(カンザスシティインターナショナルエアポート)に到着します。空港のハーツで、レンタカーをして、カンザスシティ近郊の富裕層の住む街、オーバーランドパークのホテルに辿り着きます。

後輩は、スカイプでメッセージをくれました。

「無事、ホテルに着きました」

後輩が、帰国してしばらくすると、後輩の友達から、ナデミタコに連絡がありました。後輩が変わっていく姿を、一番近い場所で見ていたわけですから、自分も変りたいと思ったのでしょう。後輩の友達は、ナデミタコに会いに、わざわざ中部から関東まで来てくれました。

でも、その時のナデミタコは未熟で、彼が必要なアドバイスをしてあげることが、出来ませんでした。

その出来事を、いろんな角度から見るうちに、「心の周波数」ってあるんじゃないかと、思うようになったんです。同じことでも、この人に言われると素直に聞けるってあると思うんです。学校で問題のある生徒って、すべての先生の言うことを聞かないわけじゃないんです。その生徒が信頼して、好きだと思える先生の言うことは、聞くんです。

今思えば、ナデミタコと後輩は、心の周波数が、合っていただけなんだと思います。それは、後輩が、ナデミタコに合わせてくれていたのだと、気がつきました。

いまなら、後輩の友達に、もっと寄り添って、こちらから心の周波数を合わせてあげられるのではないか。ふとそう思い、なすべきことを、ただなすという感覚で、いま書いています。

後輩の友達が、心が軽くなって、上を向いて歩けるようになる言葉ってなんだろう。残念ながら、いまのナデミタコには、わかりません。なぜなら、無理やり聞かせるのって、お節介だからです。しかし、いまの彼は、ベストな人生なんだと、信じてあげることは、出来るかもしれません。準備が整うまで、待ってあげること。それは、小手先のテクニックではなくて、精いっぱい優しく、寄り添ってあげることだと思います。